北区立特別養護老人ホーム上中里つつじ荘湯 浅まなみさん いろいろな出会いを自分の糧にしていきたい

施設紹介
北区立
特別養護老人ホーム
上中里つつじ荘

北区上中里。JRの操車場や国の史跡・中里貝塚に囲まれた閑静な立地にある特別養護老人ホーム。社会福祉法人北区社会福祉事業団が北区から指定管理者の指名を受けて運営している。

特別養護老人ホームの常勤の介護職員です。食事・入浴・排泄・就寝などをはじめ、利用者の方々の生活全般にわたる介助をしています。
このお仕事を始めたきっかけは?

  以前、家族で曽祖父の在宅介護をしていたことがあります。認知症が進んで、どのように接したらいいのかよくわからないままに亡くなってしまい、後悔の気持ちが少し頭に残っている感じでいました。そんなこともあって、その後、ヘルパーの資格を取得して、区外の有料老人ホームで約2年間、仕事に就きました。  
  最近になって、もっと家の近くで仕事を探そうと思い、去年9月の「福祉のしごと総合フェア」に参加しました。以前は有料老人ホームでの仕事だったので、今度はそれとは違う、新しい勉強ができそうな区の事業団運営の特養であるこの職場を選びました。その後、11月から働いています。

働いてみての感想、気をつけていること等はありますか?

  どんな施設にも共通することでしょうが、人と人とが接する仕事というのは、とても難しいものだと思います。「イエスかノーか」で割り切れる答えがなかなか出せないところもあります。まずは、その相手である利用者の方をよく知ることから始めなくてはいけません。最初から構えてしまうことのないように、特に施設だからというのでなく、ごく普通に、人と人とが初めて出会うときと同じようにして、生活のお手伝いを始めていかなくてはいけないんだな、ということを実感しています。  
  この職場には長く勤めてきた先輩も多く、皆さんからはていねいに教えてもらっています。わからないことがあったらとにかく訊くようにしています。  
  利用者の方たちは、自分から見れば人生の大先輩です。失礼のないように、言葉遣いには気をつけるようにしています。その方がこれまで積み重ねてこられた人生や、そこから出てくる言葉の重みを、一言一句、しっかりと受け止めるように努めているつもりです。

写真 介護の様子

細かい業務が山積みの毎日。そんななかで、いかに気持ちのゆとりを持つことができるかが大切になってくる

写真 介護の様子

お年寄りや同僚など、いろいろな人たちと出会うことができるのも、施設での仕事の魅力のひとつだ

悩み、やりがい等を教えてください。

  仕事が忙しくなると、目の前のやらなくてはいけない仕事で手一杯になってしまって、ついつい利用者への接し方が思うようにならないことがあります。「あの時、ちょっと忙しくても、もっと違う接し方ができていれば、利用者の方にももっと喜ばれたのではないか……」などと後から悩んでしまうこともあります。また、寝たきりの方の移動なども少なくなく、体力的にも大変です。上手に接していくには利用者のことを積極的に知ろうとしないといけません。心身の状態や気分なども、その時によって変化しますので、接し方もそれにあわせていく必要があります。そういった変化を敏感に感じ取るのはなかなか難しいことです。先輩の接し方や話し方などを見て、「ああ、そうなのか」と学ぶことはたくさんあります。  
  お年寄りの方たちからはまるで自分の孫のように可愛がってもらえます。時々、休み明けなどに久し振りに会った際にも、ちゃんと覚えていただけていると、とてもうれしいです。いろいろな人たちと出会うことができる職場です。そうした出会い自体がとてもプラスになるな、と感じています。自分の糧にしていきたいです。

今後はどんな風に働いていきたいですか?

  毎日毎日、自分が成長できるように、少しでも経験を積んでいきたいと思います。この仕事の楽しいところは、利用者の方々といろいろなお話ができることだと思います。戦争体験などをはじめ、自分たちとは経験も感覚も全然違います。ちょっとしたことでも面白いお話が聞けることがあります。認知症などのためにお話をするのが難しい方もいますが、それでもふとした時に、普通に会話が成り立つこともあります。自分のやるべきお手伝いを的確にできるようになって、そのうえでできた時間に皆さんともっとお話をできたらいいな、と思っています。

湯浅さん写真

とにかく構えたりせずに、この世界に入って、いろいろな方と接してみるのがいちばんです。大変なこと、難しいこともいっぱいありますが、楽しみも見つけることができます。それを自分のエネルギーにしていけたらいいと思います。プライベートで楽しみを見つけるのもいいですが、職場で利用者や仲間とのコミュニケーションのなかから楽しみを見つけられたら、それもまたいいのではないでしょうか。「あの人のあの話は面白かったなあ」ということがあれば、それだけで頑張れるような気がします。

(平成21年7月取材)
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